外科
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- 実績
概要
外科は食道から直腸・肛門までの消化管と、肝臓・胆嚢・膵臓・脾臓や乳腺・甲状腺などの疾患に対して、主として手術を中心とした治療を行う科です。
鶴岡市立荘内病院外科では6名のスタッフで診療しています。荘内病院憲章にも謳われているように、「高度・良質な医療と心のこもった患者サービス」をモットーに日々の診療にあたっています。年間約600件前後の手術を行っておりますが、傷が小さく患者さんに優しい内視鏡を用いた腹腔鏡手術を積極的に取り組んでいます。下の表に過去の手術件数を示します。悪性度の高い癌に対しては、手術治療ばかりではなく、抗がん剤や放射線治療なども組み合わせた集学的治療にも積極的に取り組んでいます。また、不幸にして治癒の見込みがない癌患者さんに対しては、精神面でのケアを含めた緩和医療の提供にも力を注いでいます。
鶴岡の患者さんが鶴岡で安心して治療が受けられるよう、最新の治療法と質の高い医療を提供して参ります。
手術
上部消化管疾患
庄内地方は日本でも有数の胃癌多発地帯です。早期胃癌では小さな傷の腹腔鏡手術(腹腔鏡下幽門側胃切除術:LDG)を行っております。進行胃癌に対しては胃切除+D2リンパ節郭清を標準として、抗がん剤治療などを組み合わせた治療を行っており、地方にあっても、全国レベルの治療を受けていただけることをお約束します。
下部消化管疾患
生活習慣の欧米化に伴い、日本人の大腸癌が増えていると言われていますが、庄内地方でも大腸癌が年々増加傾向です。当科では大腸癌、直腸癌に対しても傷の小さな腹腔鏡手術(腹腔鏡補助下右半結腸切除、腹腔鏡補助下S状結腸切除、腹腔鏡補助下低位前方切除、腹腔鏡補助下腹会陰式直腸切除術など)を積極的に行っております。また、2022年12月より国立がん研究センター東病院との遠隔アシスト手術も実施しています。
※遠隔アシスト手術についてはこちらをご覧ください。
高度進行癌に対しては、手術治療の他に、抗がん剤や放射線治療なども組みわせた集学的治療を行っています。
肝胆膵疾患
C型肝炎に対する新規抗ウイルス薬の時代となり、新たな局面を迎えています。しかし、依然として肝細胞癌の原因となっています。当科においては、C型肝炎の治療とともに、肝細胞癌に対しては、手術治療を中心に、肝動脈塞栓術、ラジオ波凝固、分子標的治療薬など集学的な治療を行い、治療成績の向上に努めています。また、B型肝炎も同様に、肝炎の治療から肝細胞癌の治療を行っています。現在増加傾向にあるNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)を基礎にした肝細胞癌に対しても積極的に治療を行っています。
大腸癌の肝転移などについても、化学療法とともに、積極的に肝切除を行い、患者様の予後改善に努めております。
胆道癌に対しては、肝切除を含めた手術など、根治性をめざした手術治療を中心に治療を行っております。術後の化学療法も積極的に行い、予後の改善に努めております。
非常に治療に難解な膵癌ですが、積極的に手術治療を行い、根治術を目指しております。患者様が順調に退院できるように日々努力し、結果を出しております。化学療法についても日本国内において現在投与可能な薬剤は、全て当院で使用できる十分な体制を作っております。
乳腺疾患
当科では、乳腺疾患の診断治療を行っております。検診異常や乳房にしこりを自覚された患者さんに対して、視触診、マンモグラフィー、超音波検査(エコー)を行い、実際にしこりを認める患者さんには細胞検査などの精密検査を行い、乳癌ではないかどうかを診断しています。マンモグラフィーの石灰化病変に対しては、ステレオガイド下マンモトームなども行っています。乳癌と診断された患者さんに対しては、腫瘍の大きさ、存在部位、進行度により、積極的に乳房温存治療(乳房部分切除+センチネルリンパ節生検※)を行っています。
手術後には、顕微鏡検査と最新の治療研究の結果をもとに、その患者さんひとりひとりに合わせた最適な治療法(ホルモン剤治療、抗がん剤治療など)を提示しています。当科では外科常勤スタッフの他、外部の乳腺専門医にもお手伝いいただいており、当院の乳がん看護認定看護師と共に、鶴岡においても安心して乳癌治療を受けていただける環境を提供しております。
※センチネルリンパ節生検
乳癌は脇の下のリンパ節に転移しやすいと言われていますが、手術中に癌が最初に転移しやすいリンパ節(=センチネルリンパ節)を見つけて検査する方法です。そこに癌がなければ理論的には脇の下のリンパ節をとる必要がないため、体の負担が少なく、患者さんに優しい手術方法です。
甲状腺疾患
当科では検診異常や頸部のしこりを自覚した患者さんの診断治療も行っています。一般的に甲状腺のしこりは胃癌、大腸癌などに比べて癌かどうかの診断が難しいと言われておりますが、当科ではきめ細かい検査とフォローアップを行い、悪性(甲状腺癌)が疑われた場合には、積極的に手術を行っています。
その他
胆石の手術は、ほとんどの手術を腹腔鏡手術で行っており、術後の良好なQOLと、早期退院を目指しています。
急性虫垂炎(俗にいう盲腸)は、基本的には手術をしない治療(保存的治療)をしています。しかし、重症例や虫垂炎を繰り返す患者さんには傷の小さな腹腔鏡下虫垂切除術を積極的に行っています。
鼠径ヘルニア(いわゆる脱腸)は4~5日の入院で手術しています。