研修医の声

病院あるあるな話

※オカルトが苦手な方はご遠慮願います。

これは、うちの病院の話では無く、とある病院の看護師さんから聞いた話なんですけどね

その看護師さんは村下めぐみさん23歳(仮称)といいまして、実家がお寺で小さい頃は幽霊が見えたと自称する方なんですよ

最近はあまり感じなくなったものの、それでもどうも霊的体験に立ち会うことが多いそうな。

今日はつい最近の7月の3連休、東京レジナビに行っていた時にあったお話をしましょう。

めぐみさんはその日、3連休にも関わらず夜勤。

せっかくだから休んで友達と遊びたかったなぁと、どうも気分が沈み込んではいたのですが、気分の落ち込みの理由は他にもあるように思えたそうです。

鶴岡市内のお盆は7月13~16日あたりが一般的で所謂旧盆、ご先祖様が一斉に還ってくる時期。

入職してまだ2年目で、夜勤に入るようになったのも今年から。

初めてのお盆の夜勤ということで、どこか身構えていたようです。

そんな気持ちとは裏腹に、いつも通り業務をこなしてもう深夜2時。

ナースステーションでは先輩のベテランナース上田さん48歳(仮称)と、重度の認知の入っているけれどおとなしいおばあちゃんA、脳卒中の既往のあるおばあさんBがいたそうです。

少し眠さも感じながらも、普段からおとなしいAさん、Bさんもいつも通りおとなしく、上田さんと二人で「今日の夜勤は平和だなぁ」と心が緩んできた時でした。

「ピーン」

空調の音しか聞こえていないナースステーションに、聞きなれた音が響き渡ります。

続いて聞こえたのは、エレベーターの開く音。

「こんな時間に誰が来たのかなぁ。先輩の上田さんかなぁ。」

寝ぼけ眼でエレベーターが開くのを眺めながらも、視線を感じた為に隣に目をやり、素朴な疑問を解消。上田さんは他弛緩いいる。

そこでハッとして、エレベーターに目をやるとそのエレベーターには誰もいませんでした

「よくあるんだよね夜中だと...2階で誰も乗っていないエレベーターが止まるって。」

上田さんの一言にめぐみさんは、「おいおい、そんなことがあるって...」

日中でもデフォルトで2階に止まることはありません。加えて施錠がなされ、自由な出入りも出来ないし時間も遅く、誰かがイタズラをできる状況にありません

これ以上のことを考えるとなると...何度も感じた嫌な感じがした為、なるたけ考えないようにしたそうです。

しかし、目を背けることは、それは、許してくれませんでした。

A「お母さん、お母さんだ...」

おとなしく寝ていたはずのAさんが、むくっと起き上がりエレベーターの方を見つめはじめます

上田さん「いないから、ほらゆっくり寝ましょう。」

A「お母さんだ、お母さんに会わせてくれ」

普段おとなしく、認知も相当進んでいるはずのAさんなのにです。

A「会わせろ、そこにいる、会わせろ」と大暴れ。

なかなか不穏を鎮めるのもできません。

エレベーターに誰も乗っていないことにさえ、状況理解が追い付いていないのに、それと同じタイミングで母が来ていると言うのです。

めぐみ「これは本当に幽霊が...」

そう思うも、Aさんは認知症。見えない者が見えることもザラにあることでしょう。

より現実的に物を考えようとしていたところに、追い打ちをかけるように、

B「誰がいっぞ...おい、あの子誰だ」

反応したのは1人ではなく、2人。いよいよ二人も反応するとなると、何かあるのでは...

BさんはAさんに呼応するように、エレベーターを見つめます。

B「おい、おい、、、、、おいっ・・・・・・・・・・」

徐々に言葉が散り散りになると共に、バイタルがどんどん悪くなってきています。

脳梗塞再発...転院先は...これ以上は言えませんね。

一段落するまでにはなかなかの時間がかかったそうです。

・・・

夜が明け、激動の時を乗り越えためぐみさんと上田さん。

帰りのロッカールームで「今日は大変だったね」と安堵しつつ、反省会。

めぐみさん「エレベーターは誤作動でよくあるみたいなのに、たまたま不穏が続いちゃいましたね。こんな偶然もあるんですね。」

上田さん「ねっ、ほんと偶然だったね。お盆だからってやんなっちゃう。」

めぐみさん「Aさんもお盆だって知ってたから、エレベーター見て反応しちゃったんでしょうね。いくら昔の人だからってお盆に御先祖様帰ってくるだなんて、そんなですよね笑」

上田さん「ねっ、今日がお盆だって知っていればいいんだけどね。

めぐみさん「えっ、どういうことですか?」

上田さん「えっ?だってAさん、今日がいつかなんてわからないよ。認知進んでいるんだもん。」

――――――――――――――

その日がいつかも分からない認知症患者が、お盆の日にたまたまお母さんの幻影が見えてしまったんでしょうか。色々わからないことだらけですが、認知症は難しいっていう解釈でいいんですかね。神経内科でがっちり学ばなければいけませんね。

※ ある程度フェイクを入れていますが、話の大筋は全て実話です。信じるか信じないかはあなた次第ですが...私は信じざるを得ない体験を小さい頃に数々経験しましたのでどうも真に受けてしまいます。荘内病院でもこうしたオカルトネタあるんですかね。あるならば是非聞いては見たいですが自分で体験するのは...

 1年目研修医 佐藤

2018年07月20日

研修医

レジナビ行ってきました(勧誘編)

(before,afterのネタの方がたくさんあるのですが、今回は勧誘した話だけに・・・)

7/15日曜日、かのコミケの聖地として有名な東京ビックサイトで行われたレジナビ東京に行ってまいりました!

お外はえらく暑い中、冷房がガンガン効いていてその割には快適。

フォーマルな服装をしていた学生さんたちも楽々だったのではないでしょうか。

荘内病院ブースを訪れてくれた人は、おおよそ例年よりも少ないはず...

私自身おしゃべりなもんで、芸風としてコミュニケーションをとりながら、エピソードトーク含めつつ普通は言わない現場のお話なんかをメインに長々してしまった為、時間も取ってしまい数が稼げなかったみたいです。。(すみません、担当の方々...)

今回説明するに当たって、当病院の研修のいいところとして、

手技が回ってきやすい(症例数が豊富な割に医師が少なく、研修医も少ないために回ってきやすい。症例の奪い合いにならないようたすきがけとも被らないように調節している。交渉一つでチャンスが増えうる程、先生方との風通しが良い。(具体的には来てみないと分からないが、)荘内病院のドクター全員が研修医を育てようと全力でバックアップしてくれる。)

外科系が強い(消化器外科、整形外科が新潟系医局でバリバリにやっており、脳外科もドクター2人で多くの仕事をこなしているため勉強になる。周産期医療センターを掲げる産婦人科では3週しか回っていないのに週5カイザーの週を経験した他、婦人科系の内視鏡治療にも力を入れている。)

福利厚生が盤石(研修医だからといってただ働きはおかしい。山形県の市中病院は他県と比べてもベースが高めだがそれらよりも当病院は高い。やればやるだけ報酬が出るというのはモチベーションに直結する。事実、毎日が楽しいし、残業も苦じゃない。)

当病院の研修の悪いところとして、

回れない研修科が多々ある(受け入れていない科がマイナー系に多く、マイナー志望の方には向かない。また、メジャー科である消化器内科も回れないため、内視鏡は外科を回っている際に交渉次第で研修という形に。)

呼吸器外科と心臓外科が無い(これらの科の緊急の患者に出会う頻度が低い)

※これらに関して対策が上層部で検討されており、近いうち解決される可能性はある。

以上を繰り返し説明してきました。

学生さんには様々な経緯はあれどここまでたどり着いてくれた、、、と言うことで頑張って「正直穴場だよ、何でこんなに知られていないのかわかりません。多分プレゼン下手すぎたんだと思います。」と良さと悪さをアピールしましたが、口下手な私の説明にも関わらずしっかり耳を傾けてくれて嬉しかったです。。。

とりわけ、わざわざここが手技がたくさんできる所を100ほどリストアップして、その中でも目についたからと調べて来て下さった6年生の学生さんもいて、恐縮でした、、、

他の病院のことをよくはわかりませんが、大方荘内病院がリストアップされた中で上位の方では無いと思います。科と科の垣根を越えて、様々な手技を研修医に均等に振るようなシステムにしている病院も少なからずあるはずです。

ただ荘内病院も先生にお願いさえすれば、外科系研修している際に麻酔の導入をやらせて貰える機会を設けて頂くことはできます。産婦を回っている際も、麻酔の先生に「何かやる?」と言われ、Aラインのチャンスを頂きました。

以前回っていた科で入院から退院まで見届けた患者さんがトレッドミルをする際にも、(先生が覚えていてくれたなら)他科で研修していても交渉して一緒に見させていただくことになっています。

こうした自分の足で研修内容を稼ぐことができる、という意味で荘内病院は色々やらせてもらえる病院です。

スライドにもあった心カテ50件、救急1300件も自分からやりたいからと交渉した結果先輩研修医達が得たものであり、研修前から決められたカリキュラムをこなす、やらされている感覚がある研修とは異なる研修が当病院では可能です。

言い換えれば、内容も自分好みに、期間も1週単位でいじれるオーダーメイド研修が当病院のウリです。

研修医になってまで言われるがままじゃあ面白くありません。

自分がしたいことを、自分がしたいようにできる環境とバックアップ体制こそが学生上がりの我々に必要で、今後医師として自発的に働く足掛かりになるのではないでしょうか。(それこそ私が更新するブログも、dutyでなく私が鶴岡PRの為に書きたくて書いているわけですし。)

しかしていくらオーダーメイドできるといっても、作れないものもあるのは確かです。

その辺のバランスを見極める為にも、6年生で当ブースを訪れて下さった方には一度当病院を訪れて欲しいですね。当病院の雰囲気、空気感を肌で感じ、私達がどれだけ面倒を見て頂ける環境にあるかが実感できるかと思います。

また、懇親会+見学+面接含めて1泊2日で出来るのでお時間も取らせませんし。

・・・遠いですが。

6年生の学生さんには超が付くほど現実的な話をしてみました。いい情報も悪い情報もありありと。

他であれば見学に行かないと得られないような情報もガッツリお話させて頂いたので、それを元にして選択肢の一つに加える為に面接に来るかどうか考えて頂きたいですね。ここからの時間は学生最後のモラトリアムを満喫するにしろ、ゴリゴリ勉強するにしろとにかく貴重ですし、無駄足は取らせたくありませんから。

 

また、5年生の山大の学生さん達には是非とも実習で来てほしかった...と後輩が多い分うらみつらみを喋ってごめんなさいね笑

枠が少ない分来づらいですが、うちを実習で回ってつまらなかったと言う学生さんはレアケースです。

たすき掛けで来てくれる研修医の方の多くも実習で来て楽しかったからと長期で選んでくれますし(実際は3か月で取らないと給料がここから出ないかららしいですが)、楽しかったからと大学に戻っても遊びに来てくれたO先生なんかもいるくらいです笑

今の1年目で他県で研修している研修医にもうちのブースに来て「神経内科は本当に楽しかったし勉強になった」とわざわざ声をかけて貰いました。

ただ、山大の学生さんにはとりあえず、専門医制度を創る側にいる最先端の山形大学での研修をオススメしておきました。私も山大OBですから、勿論回し者です。

そして、たすき掛けでうちに、と。たすき掛けの雰囲気を知る為に一度見学に来てみるのもありかも...

また基幹型としても、私が聞いた話では当病院と性質が被っているところは、県内には無いかと思います。

その辺を実際に実習に来てみて感じて欲しいと思ったところでした。

また、他大の5年の学生さんも既に実習で回っていることでしょうから、一度見学で訪れてみて下さい。

学生実習も充実している当院の雰囲気を体験出来れば研修医になれば尚のこと、と想像が容易くできるかと思います。

4年生の山大の学生さんには、熱烈に実習で来て、とアピール。加えて他大の学生さんには実習に出てから3日ほど連続で当病院を見て欲しいと話しました。

うちの病院の良さは、長くいないとわからないと思います。

ただ如何せん、まだ実習に出ていないとわからないでしょうから、とりあえず大正義「日本海」、今ノリに乗ってる「県中」、次世代の風「置総」をオススメしておきました。。。どこが人気か教えないで自分のところを薦めるのはアンフェアですからね。

とりわけ研修医が集まるところは実習生の受け入れ人数が多く、それに対応できる医師の数が多いところがほとんど。

そもそもの枠が少なく医師数が少ないうちなんかは、来てもらえなければ見てももらえませんから...

また将来的に山形大には残るけど、山形から離れたところで研修をしたいと言う人にはうってつけな場所ともいえます。

山大からの派遣医よりも、就職ないしは新潟大からの医師がほとんどですから、県内にいて唯一県外に近い場所ともいえます。

といってもぶっちゃけた話それなら2年だけ県外に行った方がいい気もしますがね(鶴岡にこだわりが無くて県外に2年だけ行きたいという心境にもし私がなったなら、名大か沼津市立病院を選んだことでしょう...)

とかくまだ実習に出ていないのなら、実習の際に研修医がどういった内容の仕事をしているのか(それは医師に近いレベルなのか、それとも学生よりなのか)、研修医の暮らしそのものは充実してそうなのか、上級医の研修医への対応はどうなのか、という視点で見て、自分でどういう研修ができるのか評価していった方がいいですね。

大学の先生が言ったから、皆がいいと言ったから、人気だから、良さそうに見えて選ぶと言うのは、自らで選んでいるように見えて、その実自分の価値観で物が見れていない為に必ず後悔する瞬間が訪れると思います。

本来は自分の価値観で以って、良いところと悪いところを検討した上で納得できる研修先を選ぶべきです。

自分で選んだのにそれで文句を垂れているだなんて、想像力が足りませんでしたと自分で言っているようなもの。

「ここで研修させてもらいたいです」とラブレターを書くのなら、相手の良いところも嫌いなところも知ったうえで書かないとただのイタズラになってしまいます。

これから実習に出る4年生の学生さんには、ただ勉強の為に実習をでなくて、将来の研修先になりうるかもしれないという目線で医師と研修医の動向も細かくチェックしながらポリクリ・クリクラを回って欲しいですね。

願わくばその目線の先に荘内病院もいてくれたら...いいところわるいところがあるから手放しにはオススメできませんけど。

以上、こんな話をしたっけな~と思いだしながらまとめてみました。

本当は

Y医師プレゼンツ・新橋サラリーマングルメツアー

レジナビで沼津の病院に後期研修を誘われた話

「オール島根」気合いが入っていた島根の策略が面白かった話

山形がすべきPRを山大Drと議論してみた結果生まれた「佐藤錦最強説」

なんて小ネタがあったのですが、、、、長々書きすぎたのでまた次の機会へ。

明日からは科が変わって内科です。5月半ば以来の内科系。よくわからず不安ですが、頑張りたいですね

  1年目研修医 佐藤

2018年07月16日

研修医

カイザーで始まり、カイザーで終わる(産婦研修)

産科の申し子と言わんがばかりに、始まった産婦研修。

2週間前の月曜、9時からいきなり緊急カイザーで始まり、最終日金曜の今日、これまた緊急カイザーで終わる。

一周して「緊急カイザーじゃないカイザーって何だろう」と思える程に様々な経過の緊急カイザーを見せつけられ、今日なんかは新生児チームも絡む荘内病院の周産期センターの底力をまざまざと見せつけられ、プロとプロの技の協演の余韻に浸りながら、カウンターで一人飲みをしてる気分でPCの前でお風呂上りのコーヒー牛乳を飲みながら記事を書いているなう。

というのも、臨床経験豊富な40後半overの普段は気さくなおっさんたちが、超低出生体重児相手にのしのぎを削ったわけです。

「これから技を見せよう、幸帽児帝王切開だ。知ってるか?」

内心「知りません!!!!!」と、「何それ?」状態で鈎引きしていたのだが、見る見るうちに子宮から卵膜に包まれた球体が取り出される。

卵膜から透けて見えるふよふよと浮遊する児は、まだ母体から出されたことに気付けていないようだ。

「よし」と一瞬息をつき、「破膜して出すぞ」とすぐさまあわただしくなる。

メスで小さく切れ込みを入れて流れるような手つきで児を取り出す。

エコーで分かっていたことだが小さい。600gに満たないのも納得だった。

予定日があっているなら肺は完成しているはずの週数...だがサーファクタントもろくに出せない超が二つ就くほどの未熟児だ。

それでも母体から娩出され、胎児から、新生児へと呼び名が変わる。それを知ってか児も役割をこなそうと必死になるのだ。

顔をくしゃっとしかめて、小さい手足もわさわさ動かして、おぎゃと微弱に声を出そうとする。

小さくとも声を聴けば安心する。よくぞ生まれてきてくれたなぁ。でもどうやって生かすんだろう...

そんなことを考えている時間は無い。産婦人科医の領分は出すまで。

すぐに児を小児科医に手渡し、迅速に挿管へ移行し厳密に管理を始めるのを尻目に、母体の閉創に着手する。

正直、何度も見てきたカイザーの閉創よりかは、NCPRをやった手前手を下ろしてそっちを見たかったが...なんなら先生もちらちらよそ見をしていたが...今は産科ローテート。

泣き声が聞こえるうちに、NICUへと撤退した様子だけ確認できればもう満足

やはり小児科の先生は凄い、小学生並みの感想ですが。何事も無く元気に育ってくれれば...と切に願う。

ということで、最後にこれぞ周産期センターを持つ荘内病院の本気だと言わんがばかりの症例を経験することができ、もう初めの四か月目にして大満足な研修を送れたと思い始めてしまっています、、、

産科では3週間のうちに、カイザー8件、鉗子分娩1件、吸引分娩1件、普通のお産はいっぱい、見ることが出来てもう何を見ていないかは病みえ先生を見てもわかりません。

先生方三人ともお忙しくしてはいますが、それもそのはず現行の医師数には有り余るほどの患者数で、今日のように外来予約の患者さんを待たせての緊急対応をせねばならない時も。

待っている患者さん達には申し訳ないけれども、優先度を考え危ない妊婦さん、胎児を優先して対処していくと言うのは、地域にとってはこれ以上なく頼もしいものですよね。

また、婦人科も色々見させて頂きました。

「そういえば先生、○○見たことが無いです」

と言えば大概翌々日位には見れてしまうほどタイミングと症例に恵まれてしまったわけですが、唯一見たくなかったデルモイドにも...

グロすぎて、こればっかりは見てられなくて婦人科医にはなれないなぁとさえ思う初見殺しの内容物...色んな意味で充実してました。

さて、最近では大学病院志向が強く、医師が少なく教えて貰えないんじゃないか、、、と思い地方の病院を避ける傾向がある一方で、ここ荘内病院では相も変わらずいっぱい教えてくれる先生ぞろい。ここ産婦人科も例に漏れずです。

こんなに症例数が集まってきて、これでもかっていう貴重な経験が出来るのは、上級医も少ない割に病院のハコが大きくかつ研修医が少なく全て独り占めできるからに他なりません。

地域医療と言えば、山の中なり、小さな島なりで内科一般をしながら往診をする「マンガでありそうな医療」のイメージが強いかと思います。

ここ荘内病院のように地域の中核病院であるが故に症例数が集まり、それに見合わぬ少ない医師数で、クリティカルな患者までしっかり対応する「地域に必要な治療を地域に根差して行う」医療というのも、地域医療の一つの形でしょう。

鶴岡市に必要とされていることを理解し、それに応えようと医療に没頭する先生方を見ていると、ここ鶴岡市の地域医療も明るいように思います。サラリーが仕事に見合っていない医師の方が多いように思います。サラリー以上にこないしている仕事や責任が多いです。

こうした使命感を持って働いている熱い先生方の熱に触れるというのは、今後に確実に繋がる貴重な経験ですし、地域医療体験と言って然るべきものでしょうね。

加えて先生方のキャラが立ち、感性が面白いというオプションまであればおしゃべり好きな私にとってはこれ以上ない環境です。笑

羊水混濁をだだちゃスープに例えたT先生が、だだちゃスープのレシピを見つけてくれました 笑

だだちゃまめスープレシピ

白山だだちゃが出始めたら私も作ってみようかと思います。

やはり本格的に行きたいので、とりあえずはミキサーを買ってみましょうかね。

家電芸人のF先生にどれがいいかコンサルトしつつ、近くの洋食屋スカーゼでより美味しいレシピを一緒に考えて貰う、までは行きたいですね。

はたして羊水混濁の色を再現できるのでしょうか...乞うご期待

     1年目研修医 佐藤

2018年07月13日

研修医

学生さんと呼ぶ立場から

「学生さん」

こう呼ぶことに慣れてきた昨今、「先生」と呼ばれるのにどこか漠然とした違和感を覚える。

「先生」という一般的な呼称は私のイメージでは自ずと上級医に用いられるべきだって、若手、それも研修医である私にはもったいない気がする。

近い世代の医師あれば、何かの繋がりで顔見知りであることも多く、親しみを込めて○○先生と名前を入れるようにしているのだが、それより上であれば漠然と先生と呼ぶことの方が多い。

また、部活の先輩なんかで仲がいい方であれば、意図的に多少煽るニュアンスを込めて「先生」をつけることはあれど、「さん」づけで呼ぶことの方が多い。

しかしOB会なんかで後輩たちの前に顔を出した時、丁寧に「先生」を付けられるとどこかむず痒く居心地の悪さを感じるのだ。

――――――――――――

ここで研修をする中で、ある特定の学生を指すも丁寧に呼称する際は「学生さん」という表現を使うことがままある。

「学生の○○さん」と言うよりも、より短絡的で言いやすく、一言で伝わるからだ。

去年はその立場であったにも関わらず、立場が変われば言われる側から言う側になる。

まだまだ学生目線で物が見れるのに、先生目線で物を見ることを求められ、学生さんと人を呼び、先生と呼ばれることに慣れなければいけない。

せめて名前で呼ばれた方がしっくりくるが、、、立場が、所属が異なればそうした気持ち等汲まれようもない。

ところで、学生時代の学生のイメージはといえば、普通の人もいるけれど、やんちゃな中学生が調子にのったり、女子高みたいな陰湿な雰囲気が尚残り、人の悪口でしか喜べないつまんない人が悪目立ちし、「大人になって、それもこれだけ勉強できる人達だってのがなぁ」といささか嫌なイメージが先行していた。

それこそ所属している部活なんかでも雰囲気は違っていて、とある武道部、とある文化部のくだらない揉め事を聞き、解決策を探ってみたりもしたがなかなかどうして難しい。

そうした話題の渦中に出るのは下の世代の悪い話。あまりに子供臭い常識知らずが増えてきていると言うのだが、毎年部活勧誘をしてきた私も感じるところだった。

1つ下の世代と言えば、そうした噂もまずまずあり、実習でもいくらか絡んだことのある子もトラブルメーカーが散見されたのだが...今思えばそういう引きにどうも恵まれていたような気もする。

確かに中学1年の時も担任イジメ、授業妨害、男子合唱歌わないなんて問題児ばかりのクラスに放り込まれ、気分の悪い毎日を強要されたものだった。

だが現在、ここで研修をしている過程でそうした「問題児」と相見えることが全くない。

月山を隔て、大学での束縛から解かれたのだろうか、ここにくる学生さん達は皆素直で優しい子ばかり。

しがらみ無く和気あいあいと過ごせている我々研修医陣の雰囲気にも上手く溶け込んでくれて、毎日が楽しかった。

皆が人懐っこく馬鹿話をしてくれて、学生さん達と話すのもまた息抜きの一つだったのだが...

今は大学側も移行期で来ている学生は0

今現在キャラの濃い人と言えば...秘書さんの息子さん達。確かに面白いのだが、そろそろ欲しい。

鮮度の高いバカ話が、、、

真面目でピュアだからこそ生じうる、偶発的な面白さが、、、

こんなことを思いながらオペ室へと入り、すぐに左手に見えたのは、オペ台の患者をただ見つめ後ろで腕を組んでいる女性。

すらっと身長が高く、齢20程度だろうか。前回麻酔科を回っていた私でさえ見覚えが無い。

スクラブの色はピンク、オペ看にはあまり好まれない色だろうか。

上着のポケットからぶら下がっているネームプレートはどうも見覚えが無い。

よくよく見ると学生...そうか荘看の学生か。最近から実習スタートしたんだっけか。

確か先週位にも違う学生さんが、マックグラスで挿管をしている最中、尾側から画面をのぞきこもうとしていた子が先週にもいた気がする。

「頭側から見た方がわかりやすいよ」

と声をかけより近いところで見るよう促せば、それに便乗してK先生が解剖を教えながら挿管をしてくださった。

その時の子とは違うよな...そんなことを考えている内にオペ室内をせわしなく動き、やたら手際の良い機械出しをするナースの後ろにくっついてあれやこれやと指導を受けている。

手洗いを終えた先生に、

「今学生さんが実習で回っているので、ガウン手伝わせて下さい」

と声をかけ学生さんにガウン介助の機会が回ってくる。

どこか雰囲気を感じる...何も起きそうにないこのガウン介助に何か面白い出来事が...

何も知らない学生さんがするのだ。別にミスを期待しているとかそういうわけではない。

初見だからこその気付き、初見だからこその行動、初見だからこその質問...何かに独特な感性が見え隠れし、何かに独特な面白さがある、そんな匂いがほのかにするのだ。

「ほう見ものだな(何か面白い瞬間が来るかもしれない)」

と多少腕を組んで高みの見物を決め込んでいると、

「まずマジックテープを付けて・・・」

とのベテランナースの一言に私はぎょっとした。そんなの知らない。

今思えば私はガウンを着せられたことはあれど、着させたことは一度もないのだ。これこそ私が感じた匂い、つまり私が知ったかぶりをかましていたという雰囲気だ。調子に乗ってしまった反

省...私も介助する機会があるかもしれない。謙虚に、観察、勉強だ

「次に上のひもを結んで...中のひもを結んで...」

徐々に運命の時が近づいてくる

「じゃ、これをしっかりもってて」

出たよ。「学生さん」に課されるガウンテクニック随一の難所、台紙保持

「これちゃんともってて」

人は物を持つ時、多くはものを壊さない程度に持つ。コップだって割れるほど力を入れて持つことは無い。多くは物体の摩擦力が効き、下に落とさない程度の力。

だがそれは垂直方向に最低限の力という話し。

多くは水平方向には無防備な持ち方をしている。

「これちゃんともってて」

と言われただ落ちないように持っているだけだと、次の瞬間、その台紙は先生のガウンに直撃し、全てを不潔にする。

そしてこういわれるのだ、

「だから、これ、ちゃんともってて」と...

(私のように)失敗したことがある人なら、これでもかと強く持ち、先生の引っ張る力に負けない力を入れる。水平方向だけでなく、垂直方向にも強い持ち方を意識するのだ。

だが初心者ならばそれは知る由もない。だからこそその脇で「強く持っていて」とアシストすることは不可欠なのだ。

流石にベテランの看護師さんが、「強ぐの!」と強調して指導する。

ここまで言われれば何事かと誰もが力をいれてつまむ。そうして、ガウンテクニック最後の行程を無事終えるのだ。

無事に先生の引っ張りに負けずガウンを着せることに成功した学生さん、「やるな」と視線を送っている間もなく他の先生に「これ頼むよ」と私が頼まれる。

だが隣には学生さんがいるのだ、私はすかさず、

「先生からやらせてもらえ~」

すると返事なくもくもくとつまみ、ひっぱる。

先ほどに続き連続成功だった。

素晴らしい。これでガウンテクニック介助をマスターしたと言っていい。今後彼女をオペ室で見ることがあるのなら...きっとするすると着せているに違いない。

それ以後も手術見学を続ける彼女。

無駄口一つ叩かず、後ろに組んだ手を解かぬまま、律儀に先輩看護師の話に耳を傾け、傾聴型実習を手術中に貫き通していた。

...流石荘内看護専門学校、立ち振る舞いまで指導をしているのか。

私が嘗て経験した医学生の学生実習では、私語なり無駄話をして怒られたり、両腕に参考書を持って手術に入り怒られたり、先生の話を無視して怒られたり、手袋を手づかみで袋から出し、手術台を不潔にして怒られたものだが...

しっかり教えられたことを守って、しっかり教えられたことを覚えようと聞いて、素直に指導に従う。

山大の学生さんたちもかなり素直な子ばかりだったけれど、荘看の子達の方がもっともっと素直な気がする。というより、素直にいなさいと教育されているのか。私達は素直でいることを習わないのだ。

印象としてもここの看護師さんは真面目で素直な人が多い気がする。やっぱり教育する機関やその雰囲気でこうも実習態度って変わってくるもんなのですかね。

しかして素直で素晴らしい。

こんなことを考えていると、遅れてもう一人の先生が手洗いをして入ってくる。

先輩ナースの監督下の元、おぼつかない手つきながら介助をする。

「成長したなぁ」

誰目線かわからない、この調子に乗った研修医は、立派に介助をする学生さんを細い目で見届けるのだ。

そして最後の難関、台紙保持に差し掛かる。

先生が台紙に手をかけたその瞬間、ピクリと手が出る学生さん。反射良好、いつだって引っ張る準備は出来ている。

しかし、それに見向きをせず、自らの周りをぐるりと一周させ、乱暴に台紙を紐から剥ぎとる先生。

「さっき習ったのと違う」、明らかに学生さんは目を丸くしてそう訴えていたのだ。

ままよくある、経験上同じく行くことはあまりないのだと。台紙一つで学生さんは臨床の現場を学んだことだろう。

だが敢えてひとつ言いたい

先生、ガウン着せてもらったんだから、せめてめんどくさがらないで最後まで付き合ってあげてよ!!!!

  1年目研修医 佐藤

2018年07月10日

研修医

例えるならだだちゃスープ?

物の色や形を例える時、少し伝わり辛いなーと感じたら皆さんは何に例えるでしょうか。

ふつうは、聞き手がわかりやすいだろう物であったり、あるいはズバリ似ている物に例えたりするのではないでしょうか。

そうした例えも場所なり人なりでより広く伝わりやすい表現というものは異なってくるのが当たり前で、鶴岡市では通じる例えも他県では伝わりにくいものもあるでしょう。

先日、羊水混濁の色調を例える際先生はこう例えました。

「だだちゃスープの色だったろ?」

このフレーズを聞いた際に私はなんともなしに、「ああ確かにな」と思って聞き流してしまいましたが、後日同じフレーズを聞いた際、これまた何ともなしに尋ねてしまいました。

「だだちゃスープって何ですか?」

「え?だだちゃスープはわかるだろ?鶴岡に住んでたならわかるだろう?」

即答されたその答えはまあ確かにその通り、何となくならわかる。

けれど私は思い返してみて気付くのです。

だだちゃスープ食べたこと無い

そう、だだちゃスープなんて食べ物全く持って一般的ではないはず...

いくらか鶴岡を食べ歩きしましたが、未だ嘗て出会ったことがありません。鶴岡のどこでだだちゃスープが食べられるのでしょう。

そんなマジレスを連続した後、先生は看護師の●●さんに聞くのです「君は食べたことがあるよな?」

確かにイメージは出来る、だが「食べたことは無い」という返答でした。

ここまで来ると先生がどこでだだちゃスープを食べたのか気になります。それを口にしてみないことには私は先生のように「だだちゃスープのような色だ」と言うことはできません。

お家に帰ってグーグル先生にお尋ねしました

だだちゃスープ 鶴岡

と。

レシピは引っかかるものの、鶴岡で食べられそうなところは早々引っかかりません。

強いてあげるなら、羽黒のイタリアン:緑のイスキア

F氏に言わせれば、庄内の野菜×イタリアン=最強ということですが、ここはどうなのでしょう。

まだ一度も行ったことがないお店なので、グルメツアーで訪れてみたいところですね。

ただピッツァが有名なところのようで、だだちゃスープ目的で行くのもどことなく失礼な気が...

調べれば調べるほど背中が見えなくなるだだちゃスープ。

どこに行けば会えるのだ...会いたくて会いたくて震える私はお腹が空いていました。

ということで官舎の隣のイタリアン、スカーゼに。

イタリアンだしないかなーと思うもやはりなし。

されどセットメニューに付いてきたかぼちゃの冷製スープが、それはそれは美味しいこと。

ここならもしかしたらだだちゃスープだしてくれそう、一度話しかけてみるかなーなんて思っていると店主のとっつぁんが話しかけてくれました。

「かぼちゃのスープ美味しいでしょ」と。なんてシンパシー。

「美味しいです。ここは地の物使ってて美味しいですよね」

そんな話からしばらく続け、「そろそろだだちゃ豆の季節ですね」と話を振る。

「まだ早いけどね」

とだだちゃ豆の話をいくつかしてくれました。

他にも美味しい品種があること(おつな姫あたりかな?)、だだちゃ豆はすぐ悪くなるから扱いが難しいこと、それ故にスープにするにも手間がかかること。

そもそも何も知らない私達消費者は、緑のスープを見れば「だだちゃスープだ!」と無意識に感じるだけではありますが、実際は「頑張って作ってくれたんだなぁ」と思う方が正しいようです。

また、見方を変えればだだちゃスープを出すところは技術があり、熱意もあるともいえるでしょうか。

色々勉強をして改めて感じるのは、だだちゃスープはより珍しいものだということ。

加えて、とんでもなく美味しいだだちゃグラタンを出すスカーゼはすごいんだということでした。

となれば私がだだちゃスープに出会う為の最短距離は明らかでしょう。

スカーゼに通い詰めて仲良くなり、もう1か月程立った後に来るだだちゃシーズンの頃にいつだだちゃスープを出すか聞き取り、なんならリクエストしてその日に食べに行くほかありませんね 笑

だだちゃスープの色は白っぽいのか、黄緑っぽいのか、緑っぽいのか、、、尚更妄想膨らみます。

そうした期待とは裏腹に、今一番危惧しているのは、その色が先生のたとえ通り羊水混濁そのもので、見た瞬間に食欲が失せることでしょうか。

そればっかりは元も子もありませんね。。これまたマジレスするならば、例えるならば食べ物にすべきではないですよ。食べられない人も出てくる可能性もあるわけですから。

医学用語で便利に、1+、2+、3+なんて表現した方が誰も損しないし便がいいのかもしれません(イメージしづらいものではありますが)

しかして、他に例えるべきちょうどいい表現はあるのでしょうか。

仮に他に例えようにも、より高頻度に食べることがある食品になってしまう可能性の方が高そうな気も。

結局普段食べない、かつイメージしやすいだだちゃスープという表現が的確なのかもしれませんね。

・・・結局、だだちゃスープが何なのかはよくわからないのですけれども。

    1年目研修医 佐藤

2018年07月01日

研修医

普通って何だろう?

産婦人科研修中の私が毎日のように直面するのは、普通って何だろう?」という漠然とした問題だ。

産婦人科の普通と言えば、陣痛発来して急いで病院に妊婦さんが連れていかれ、流れるままに分娩室へと通される。

徐々に進行する分娩に耐えながら徐々に親戚が集い、その瞬間を今か今かと待つ最中、旦那も同室し、「頑張れ、頑張れ」と声をかける。

「あと少しですよ」

「頭が出てきましたよ」

「ひっ、ひっ、ふー」

「生まれました」

「おぎゃーおぎゃー」

「3074g、元気な男の子です」

「頑張ったね、偉いよ」

「可愛い、可愛いよ」

よくある声掛けが、よくある状況で聞かれるこれが、一般的に言う普通のお産のイメージ、お産の経過だろう。

妊婦は病気じゃなくて健康そのもの、生まれる子供も勿論元気。

下からが産むのが当たり前...

現代医学によってそうした当たり前が広く一般となったが、一昔は妊婦の死亡率は高く、新生児の救命も難しかった。普通な現実とは異なるだろうが、妊娠そのものは命がけである、というのは医療者の常識だろう。

妊婦は病気ではないが、異常な妊娠と言うものも多くあり、「疾患」として勉強させられた経験が私も多くある。

しかして、それであっても正常妊娠、正常分娩が多いはずだろうと信じてはいた。

この欺瞞にも似た盲信は、産婦人科ローテート初日から私を打ち砕くことになる。

初日、

八時からのカンファレンスを終えた私に告げられたのは、「緊急カイザー」だった。

開腹から生まれるまで2分とかからず。実習でみたどのカイザーよりも速い。

お産とは程遠く見えた救命の迅速さに、ただボーっと見ているほか無かった。

2日目、

内視鏡の勉強を先生に丁寧に教えて貰いオペも楽しく見ることが出来て、午後には満足していた。

そろそろ終わりかと思った私のピッチが鳴った。「緊急カイザー」だった。スムーズな手順で行われる救命は、ただ心臓に悪い。

3日目、

普通の分娩がそろそろ見たい...だが今日は午後から予定カイザー。

でも緊急じゃないから心の準備も出来ると言うもの。カイザーの勉強を午前中にしよう...

そんな心情とは裏腹に、午前中ピッチが鳴る。「緊急カイザー」だった。

いつ私は普通の分娩が見れるのか...

4日目、

出勤時間に合わせてセットした時間の30分前にピッチが鳴る。

「普通のお産です」

半ば信じられない...私は半信半疑、疑心暗鬼。

分娩室に辿りつき目に焼きつくは、児頭の一部。ごくごく普通のお産、ホッとする。

この時点で既に満足。もう何も起きなくていい。普通をみれたのだから。

「先生が来てから忙しいね」

普通とは違うとした看護師さんの一言に、「俺が悪いのか」と若干肩を落とす。

医局秘書さんに笑い飛ばしてもらうことで多少は気持ちが楽になったが...

それでも起こるは、劇的な鉗子分娩。普通ではない状況を打破する為のカード。

胎児を助ける究極の択を通す為に行われるは、クリュッセルとの併用。何も出来ない私はただ狼狽えながら見ることばかり。

泣かない赤子に駆け寄るドクター、

「泣け、泣けよ」

「いいぞー、もっと泣け」

「よし、よし、よし」

ベテランのおじさんドクターが、額に汗を滲ませ血相を変えて必死に戦う様に、私は感動を隠せない。

赤ちゃんは弱いんだ。

5日目、

心臓に悪すぎる展開の連続に私はそろそろ精神的な疲れを感じる。

いい加減、普通の分娩ばかりにしてくれよとお天道様に願う。

が、非情にも天気が悪く、聞いてはくれなそう...そんな下らないことを考えなくともとりわけ何もなく済んだ。

しかして、勉強会の後に鶴岡を取り巻く産科の状況を知る。いいところと悪いところの両方を聞き社会勉強に。現場の人の話しの熱量は一味違うな。

現場で戦うドクターの技量と肝っ玉、それを支える助産師さんや看護師さんが単純にかっこよく見えた。

それと同時に彼らが戦うものが分かってきた。

お産で命を失った際、消えうる命は1つじゃない。

生まれ来るはずの子供から続くだろう命の繋がりも絶えてしまう。

子供一人、妊婦一人の命に宿る可能性は、想像しきれない程に大きなものであり、これを扱う医療者に係る重圧は筆舌に尽くしがたいものだ。

気軽に来ていいもんじゃない、だがこの現場で戦うプロフェッショナル達を、医療者として一度は見ておかなければいけないのだと実感した。

――――――――――――――

毎日が劇的な産婦人科研修。これが普通であって欲しくは無い。

産むという行為そのものにドラマがあれば、生まれた子のドラマがある。

後者は、目を背けたくなるようなものばかり。始まる筈だったそのドラマは、あまりに短く終わりを迎える。

「普通に元気に」が普通なのではない。現実は残酷だ。

見ていて悲しいし、関係者の方々の気持ちを考えると目を伏せたくもなる。

同情し、これからも前を向いて頑張れるようエールを送りたいと心の底から思うが、これはあまりにエゴイスティックで失礼なんじゃないかと最近は思う。ただの知ったかぶりのエールなんて犯罪ものでしょう。不要だ。

当事者でない私達に出来るのは、目を背けてはいけない現実に直面した際真摯に受け止め、日々有事に向けて研鑽を続けることしか無い。

だが、そうしたからといって必ずしも戦えるわけでもない。そうした非情な現実で最も重宝されるのは、経験そのもの。つまりは失われてしまった命の灯。先生方はこれを糧に、強い思いで診療に当たっている。

無下に消える命などあってはならない。多くの命を生かせるようにそうした命を灯し続けることこそ、医療者に科せられた宿命なのだ。

先生方の言葉に感じる力強さの正体は、言霊そのものなのだろう。色んな命が見え隠れする。

研修医として、そう感じることこそが、命に対する最大のリスペクトだと信じている。

――――――――――――

心情を吐露すれば辛い側面も多い(というか私はそのイメージが余りに強い)産婦人科ではありますが、医学的な面白さも十分に感じます。

普通に産まれるのを見れば、普通に喜ばしい気持ちにもなれますし感情的にも楽になれる瞬間もあります。

加えて、先生方もいい人ばかり、若手の先生がこれでもかと丁寧に教えてくれますし、2人のベテランの先生も面倒見が良く、充実した日々を送れています。

何だかもう1か月回って満足したかのような言い回しで書いてはいますが、それ程に満足できる1週間を送ることが出来ました。これまでで一番長く感じた1週間です。

荘内病院で研修する上で循環、麻酔は外せないと思いますが、産婦人科も外せませんね。

今のところどこでもいい研修が出来ていると思うのに、それでも基幹型が3人しかいないこの荘内病院。

F氏と共に2人で「これだけ毎日が充実しているのに、他で苦しい思いをしながら研修している人達の気がしれない。彼らの普通って何なんだろう?」とよく話すのだけれど、本当に疑問ですね、、、

さてさて、明日は新生児蘇生講習会、勉強しなきゃなーと思いながらブログを書いている私は予習を終えることはできるのでしょうかね

...この怠慢さが私の普通でなければいいのですが

   1年目研修医 佐藤

2018年06月30日

研修医

庄内グルメツアー③

ある日の研修医室。

「今度お給料出たら、ちょっと贅沢しようよ!」「いいね!どこ行く?」と盛り上がり・・・。

行ってきました!アル・ケッチァーノ。

某シェフのお店として有名ですね。

7700円のコース料理を金ちゃん先生が予約しておいてくれました!

庄内の食材を楽しめるのでおすすめですよ!

   

最後のデザートで・・・

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神ちゃん先生の誕生日をお祝いしました。サプライズ成功!!

     

1年目S君が記念撮影。満面の笑みの神ちゃん先生に悲劇が・・・image2.JPG

食べて なかったことにしようとする神ちゃん先生・・・

しかし!どんな瞬間もS君はばっちり撮ってます。

image1 (1).JPG

       

荘内病院に来て早3か月。もうすぐ異動です。もうちょっと ここで働きたかったなあ・・・。

荘内病院・鶴岡市の魅力は、これからもS君・F君がたくさん語ってくれるでしょう。彼らのブログ更新を楽しみにしています。

次の病院は、ここから車で30-40分(・・・はい、あの病院です。意外と近い)。

庄内地域の医療に貢献できるよう頑張ります!

2年目 M

   

image1.JPG

         

2018年06月25日

研修医

麻酔科研修終わりました

先月半ばから五週に渡って麻酔科で研修をさせて頂きました。

選択必修で回った科ではあるのですが、4年で追試&大学の実習内容も中身スカスカでろくにわからず、自分で回ると決めたのにも関わらず苦手な科。

外科志望としては手術する患者さんがどうやって麻酔管理されるのかは知っておかなければいけないなぁとざっくりとしたイメージで回ることに。

どうせ本読んでも日本語に見えないだろうしと、初日は何も予習をせずに臨み、無事に「研修医としてどうなの?」と叱責を...。

しかして変な先入観が無いのもあって、先生方の麻酔の流れ・手技などを客観的に見ることが出来て、先生方の指導もすんなり入ってきて、むしろ理解しやすかったです。

加えて、先生方全員が年代もしくは医局が異なる為に、

「K先生は専ら吸入麻酔、全ての手技がスローモーションだけど丁寧。」「K先生は吸入麻酔より、説明されればわかるけど説明されなければわからない細かい手技の工夫が随所に。」「W先生はペンより爪派」「K先生は静脈麻酔より、とにかく優しい。」

みたいな感じで、その先生が学んだ時代や医局の流行りと得意な麻酔法が異なっており、ただ一つの方法を学ぶというのではなく、それぞれのメリットデメリットであったり歴史的な観点からも教えて頂き、より具体的にイメージしやすかったです。

理由もなしにしていることなど一つもなく、加えて全てに歴史がありどれも興味深い内容でした。

「二か月研修したけど麻酔のことよくわからないままだよ」なんて友達に言われて私も一か月だしよくわからないままだろうなぁと思いきや、面倒見いい先生ばかりでしつこく質問を繰り返す内に一通りのことは理解できたと思います。

また、K先生に、「麻酔というのはトータルで成り立っていれば方法なんて何でもいいんだよ。」「患者さんを起こした時に痛みを感じさせたら麻酔としては失敗なんだ。」と教えて頂き、先生方一人一人の矜持が手技や考え方の一つ一つに見えるようになりました。

そうして先生方の手技の細かな違いに気付き、その意味を考えたり、教えて頂いたりしていくうちに気付けば研修医用のアンチョコ本も読みやすくなっていましたから、教科書内容のほとんども網羅して教えて頂けたようです。

K先生には、「一通りの業務をしてみないと本当にわかることなんてないよ。出来る範囲からやってみて、自発的に学習すること、自分から働くことが何よりも大事だよ」と教えて頂き、お薬の作り方、呼吸器の準備の仕方から、当院では看護師さんがしている血ガス測定も自分でやれるよう教えて頂き、ICも自分でやれる範囲でK先生に許可を頂きやらせて頂きました。

「麻酔の麻酔らしい部分」とは多少かけ離れていると思われるところかもしれませんが、そうしたところをやってみることでわかることもあるものです。

レミフェンタニル0.1ml/hで流す意味なんかは、自分で手を動かしてかつ医学を学んでいる者でなければわからないことかと思います。(実際看護師さんが突っかかってくるシーンを目撃したり...)実務的な面、医学的な面の双方から知らなければ臨床医として働くことは難しくなるように感じます。

手を動かすことと、頭を動かすことを平行することで、教科書の内容が良くわかる、教科書外のこともよくわかる、そう実感しました。

自分でやりたいという意志を示せば、やらせないことはほとんど無い

研修医ファーストの荘内病院の特性が如実に出ていた研修が出来たのは、間違いなくここ麻酔科でしょう。

できることが一つずつ増えていく喜び、わかることが一つずつ増えていく喜びを実感させられました。

といっても、最後までAラインは完璧にはなりませんでしたね...「触れたらそこに、サッとさして、フッって寝せて、スルーっと行く」では僕じゃあできないようです。。ミスの分析だけはかなりいい線まで来ているなとは思いますが...今後も機会を見つけてチャレンジしていくしか無いですね。

人が良い先生ばかりで、「患者さんの為に」を考え続ける方々と一緒に勉強することができ、非常に有意義でした。感謝の言葉が尽きませんね。

来週からは三週間と短い間ではありますが、産婦人科を回ります。

NICUを抱える当院の産科ですから、きっと面白いお話が聞けるでしょうし、楽しみですね!

 1年目研修医 佐藤

PS 麻酔科はKから始まる先生がバイトの先生含め4人、Wから始まる先生が2人いますから、イニシャルにすると誰が誰だかわかりませんね、、、

2018年06月23日

研修医

てくてくTsuruoka

今日のお昼はだらだらブログ書こうかなー

 

そんなことを思ってたら鬼神・K医師からご連絡。

今日は気分が良い。なんでも奢ろう。

奢ってくれるんなら喜んで。「なにがいいの?」

でもでも今日はカンチャン先生が神戸土産にお肉を買ってきてくれるから、研修医皆でホットプレートでつつく予定。

「ガッツリは食べたくないなー。」

何か軽めがいいのだけれど、あまり遠くまで行きたくない。そんな時こそ「てくてくTsuruoka」

「歩いて何かいいところは無いかなー。」

医師公舎を右に曲がれば、かつては栄えたシャッター街。昭和通りと銀座通りがありますがどっちがどっちだっけかね。

暫くだらだらてくてくすると、たどり着いたのは定食屋天花食道

「いらっしゃい」と元気よく声をかけられるも、声量に見合わない老夫婦がお出迎え。

じいちゃん、ばあちゃんがやっている昭和な感じのお店。じいちゃんの手がゴツゴツてかてかで火傷を何度もしたんだろうなーと連想させる。

ばあちゃんも小っちゃいばあちゃん。丁寧に接客して下さってなんだか嬉しい。ばあちゃんあんがとよ。

天花.JPG

ベタに頼んだのはカツカレーと冷やしワンタンメン。全くあっさりじゃないよなぁと思いながらも量は普通くらい。

カツカレーには可愛らしくグリーンピースが乗っており、お味も優しい。出汁に海鮮系を使ったのかな?ベーシックな和カレーは、いつも病院やみどり食堂のガッツリカツカレーなりを食べている私にはむしろ新鮮でした。

天花1.JPG

店内も錆びたパイプ椅子や、少し傾いたソファーと雰囲気が出ています。

小学校の頃よく遊びに行った誰かのおうちに似ていて、何だか落ち着く気がしますね。

「次はデザートが食べたいなぁ」

という鬼神の一言、荘内銀行の目の前に確かお茶屋さんがあった気が。

この前空いていなくて食べれなかった抹茶アイスが食べたいなー、とだらだらてくてくTsuruoka

少し歩いて着いたのはこちら、尾川園

尾川園1.JPG

バリバリのお茶屋さんですね。

今日は空いてる!!!!アイスを食べれるな~と思うも目につくのが看板

尾川園2.JPG

むむむ、かき氷がもう出てる!!!!!!!!!

山形市で住んでいたのもあって少しかき氷に敏感。

天童市だか、山寺だかにある腰掛庵のかき氷は、この時期になると毎回食べにいく人が続出。

大学生なら誰しも足を運んだであろう、なんかすごいボリュームのかき氷屋さんですね。

最近はやっているじゃあないですか、少し値の張るスイーツな感じのかき氷。(私はこれまで食べたこと無いんですけどね。)

鶴岡でも大山のどこかが有名で行列を成しているなんてのも数年前に聞いたことが。

しかして、贅沢かき氷の潮流が時期を置いて鶴岡にも来たようですね。

尾川園3.JPG

私が食べたのはふわふわほうじきな氷

大きめにすった氷の食感はふわふわでお口ですぐに解けるほど。

ほうじ茶がベースの氷で、黒蜜?、きなこに白玉が2個。

ほうじ茶特有のさっぱり感は勿論のこと、独特の渋みがきなこと黒蜜でむしろ清涼感ある甘味として感じられる。

非常に食べやすく、一瞬でペロリ。なんだこの食べ物は...。

店主に聞くと去年くらいから始めたということで、まだまだ認知されてなく、微妙な口コミで食べにきてくれる人がいるくらいとのこと。

こんなのハマる人はとことんハマる味ですよ...!

研修医連れて、家族連れてまた行きたいですね。時間が合えば学生さんも連れていきたいですが...少し難しいでしょうか。

しかしてこのかき氷、サイズ感はとてつもなく、垂直に伸びる様子は五重塔。

食べ歩きしたくて、持ち帰りしたものの店員さんには「えっ、持ち帰んな?」というリアクションをされ...

むしろ私も「えっ、持ちかえるんじゃねえな?」と思いましたが、持ち帰ってみて気付きました。

持ち歩くとぽろぽろこぼれます・・・

そりゃそうだ、こんだけ大盛りで縦に長いんだもん...

相変わらずあほしてしまいました。

もし食べられる際は店内で食べられた方がいいですね、当たり前ですが。

鶴岡の夏の味覚を1つ味わいました。以上てくてくTsuruokaでした

 1年目研修医 佐藤

2018年06月17日

研修医

トップページに更新通知が行くようになりましたので

学生さんだけでなく、病院の方、鶴岡市民の方の目に触れることも増え、流石に遊んだ話ばっかりだと良くは思われ無さそう、、、ということで予め誤解が生まれ無いように私の考えをまとめておこうと思います。

※研修医の分際で...と思われるかもしれませんが、研修医視点でこそ見える部分もあるかと思います。

最後まで読まれれば「ただ遊んでいるだけではない」ということがお分かりになられるかと思います。

鶴岡市の医師不足を誰が解決するのか

鶴岡市の医師不足は今に始まったことでは無く、私が高校生の時からここで働くお医者さんはどこよりも大変だという噂はどこからともなく聞こえてきました。

「実際に忙しいなら医者を増やせばいいんじゃない?その為の待遇を良くしたら来るんだから鶴岡市が頑張ればいいじゃん。」

そうした工夫をしたからといってすぐに増えるほど現実はそう甘くはありません。同額の年俸でここ鶴岡を選んでもらえる程に、鶴岡の魅力は周知されていなかったのでしょうか。

鶴岡市民に「鶴岡市の何がいいの?」と聞いても、「山があって海があって食べ物がおいしい」と答える程度。

確かに最高に美味しい山の幸、海の幸がありますが、同様な場所は何も鶴岡市だけには限らないでしょう。

お金さえあれば何でも買える都市だって日本には数多くあります。そうした都市にも勝つことができるここの良さとは何かと問われた際、誰もが納得できるような答えを出せる鶴岡市民はどれだけいることでしょう。

少なくとも私は20年ほど鶴岡市で暮らし、鶴岡の生活・文化からどういった人間がどういった教育を受けてどう暮らし、どう生涯を遂げるのかを理解してきたつもりです。細切れでは無い、鶴岡市の良さを一連の流れの中で知っています。

鶴岡の良さは一部を切り取るだけでは意味を成しません。鶴岡の暮らしの中にあるからこそ、鶴岡の良さは光るものです。

それ故に鶴岡市民がより鶴岡のことを知り、鶴岡で暮らすことを選べるようになることが医師を増やすこと、強いては人口を増やすことの近道となることでしょう。

理想は鶴岡南高校から医学部への入学者が増え、皆が鶴岡に帰って来てくれること。

その為に鶴岡南高校での教育水準がより高いレベルになることですが...(母校の教育方針で年間何人も医学部に入れるとは到底思えません。)

――――――――――――

5年程前に、院長先生が市に掛け合い荘内病院からの奨学金を発足させました。

鶴南OBで国立大に入ってる学生がメインでその恩恵を受け、不自由なく学生生活を送らせて頂いています。貸していただいた年数の×1.2年間を荘内病院で働けばチャラになるという制度です。

市民感情としてはそんな大金を払うメリットが本当にあるのか、と疑問に思われるかもしれませんが、医師1人の売上と鶴岡市にもたらす経済効果を考えれば1年で病院は元が取れる程です(私が聞いた話では)

奨学金の制度上、奨学生が専門医を取り油が乗った頃...10年、15年経った後に鶴岡の医療を担っていくことでしょう。

ここ荘内病院では後期研修が出来ない科がほとんどであり、専門医を取るためには大学に戻らねばなりません。将来的に●●の専門医だと看板を立てることが出来る医師が来た方が鶴岡市としてもプラスで患者さんも安心でき、その為のバックアップを院長先生も快く認めて下さっています。

そうして後期研修が出来るほどにその科の頭数が揃えば、若いドクターもここを選びやすくなり、活気付く可能性もあるでしょう。

山形大学OBとしては、荘内病院に就職として来る以前に後期研修の数年を荘内病院で消化したいと思うところですが、様々な事情があり難しいと聞きます。

勿論私も三年目以降大学に戻った際にはお偉い方々に掛け合ってみますが、先生方に言わせれば難しいとのこと。

奨学金は10年、15年後の効果を見ている

院長先生は未来を見据えてこの制度を作ったとおっしゃっていました。

「短期的には?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、連携している大学に駆け寄り交渉をしたり、病院転職サイト等に掲載したりと対応しようとしていると聞きます。

私達に常に優しく指導して下さる先生方が、通常業務もこなしながら鶴岡市の為に、病院に人を集める為に頑張っている

志高い先生方によって、鶴岡市の医療は守られています。医者は医者だけをやっているわけでは無いのが実情です。こればっかりは研修医として来て初めて知った事実です。

そんな熱い方々の纏うオーラに当てられ、感化されずにはいられません。

私には何が出来るのでしょう。

麻酔科を回り始めた5月中旬、先生にこう言われました。

病院の活気は研修医で決まるからね。若い子いないとね。

私達研修医の仕事は、各科を回り誰よりも元気に貪欲に学びを求めることと、救急のファーストタッチとして上の先生の負担を減らすこと

まだ1年目は救急に入ってはいませんが、来るその日に向けて勉学に勤しんでいるところです。(今月も教科書だけで5万円近く投資しましたし...)

私が回った科で担当した患者さんには、これでもかとバリバリの方言で話しかけますし、何ならじじばば相手に抜群の庄内弁を披露する看護師さんを見ると少しライバル視します。

看護師さんに「先生が庄内弁で話してんなみっど落ち着く~。」なんて言われて、いやいや自分よりもドギツイ庄内弁を使いこなしててむしろ負けた気がして落ち着かないぞ、って思ったり。

もう1人の1年目のF氏もコミュ力爆発、コメディカルとも仲良くしています。

研修医の数が多ければ多い程、この病院にいくらか活気をもたらすことができると実感しています。

今の1年目は2人と人数的には寂しく見えますが、自分で言うのもなんですがコミュ力と積極性だけはそんじょそこらの研修医よりも強いと思います。恥も無ければプライドもない。むしろプライドは恥が無くて何でもするところでしょうか。

そろそろ嫌がられてもいいんじゃないかというほどに先生方にアプローチしているにも関わらず、先生方も本当に良くしてくれますし、1年目のF氏は勤務態度が良く先生に認められて、早くにヘルニアの執刀を任された程です。

私達が私達の為の研修をし、2年後に最高の研修医生活だったと言えるように「今」を生きています。

研修委員会も、委員長の鈴木先生を筆頭に研修医ファーストで考えて下さり、充実して過ごせています。

研修医にとって風通しが良く、フレキシブルな環境がここにはある。

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十分に推せるだけの環境があるのに、人数はここ2年奮いません。これが相当に問題案件だと気付けている人は何人いるでしょうか。

現在の医学生は過去の医学生と違い、より高度な情報社会に生き順応している割に、相応の情報リテラシーを持ち合わせてはいません。といっても上の世代になればなるほど現代社会に対応した情報リテラシーは持たなくなりますが、相応に情報社会に疎い為に相対的に釣り合いが取れているとも言えるでしょうか。

今の若い世代こそが現代機器を乗りこなせるほどのリテラシーを持ち合わせておらず、結果として情報に踊らされることも多いものです。

良さそうな噂を真に受けてそのまま損をしたり、悪意ある噂を平気で流して悪意無く風評被害を広めるなんてのもよくあることです。

ここ荘内病院も大学で聞いた話と現実とが全く違ったり、他にも山形市内の病院も研修医の悪評の流布によって人数が激減したり...一度人数が減るような風評被害を受ければ、よっぽどのPRをして誤解を解かない限りはなかなか挽回が難しいものです。

まずは知って貰うことが一番

この病院の正しい評価をして貰うためにはより詳しくこの病院のことを知って貰う必要があるわけです。

とりわけ後期研修以降の医師に関しては私では説明することができません。自らその立場として働いてはいないわけですから。

ですが、今の私の研修医という立場から、学生に一番近しい研修医という立場から、学生目線、研修医目線の双方の視点からこの病院を見つめ、研修医はどういう暮らしをしてどういう学びを出来るのかということを発信していくことはできます。

このブログを通じて鶴岡の食べ歩きなり、鶴岡の文化なり、荘内病院での研修なり、荘内病院研修のありのまま、鶴岡市民の暮らしを紹介していくことは興味を持っていただく為に有意義であると考えます。

学生さんであれば「鶴岡ではどんな美味しいものがあってどんな遊びが出来るのか、実習で来たときにどんなお店に連れていって貰えるのか」をとっかかりに、サークルで鶴岡に合宿に来て頂いたり、夏だからと海で遊びに来てもらえたり、学生実習でここを選んで来て貰えたり、見学に来てもらえたりして、より鶴岡を、荘内病院を知って貰うことがあるかもしれません。

そうして興味を持ち正しいイメージが大学生に浸透することで、荘内病院に基幹型研修医として来てもらえたり、大学から協力型研修医として来てもらえる可能性も僅かながら上がるでしょう。

この論調で行けば私達研修医が学生さんと自腹を切って遊ぶことが、結果的に鶴岡の正しいイメージが浸透し、鶴岡市の救急に貢献することがあるかもしれないということです。

過去に荘内病院で研修医として働いたから、大学から派遣で働いたことがあるからという経緯から、ここに就職して下さる先生方も多くいらっしゃると聞きます。

それ故に、研修医の「今」の勧誘行為は、未来に向けての投資であるという認識はこのブログを読んで下さる鶴岡市民の方々には知っていて頂きたいです。

私達の「今」の全力は必ず未来に繋がることと信じています。

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加えて、私の持つ鶴岡愛、鶴岡への帰属意識は誰にも負けません。

中学の卒業文集で少子高齢化を食い止める、高校の卒業文集で村長になると書いた位ですから

とりわけ、鶴岡をよりよくするためには、1人1人がとにかく行動をして行かねばなりません。

だからと言って私がしているのは、結果に繋がるかもわからない、何人見ているかも分からないブログの更新と学生さんと遊びにいく程度ですが...

それでも私に出来る事は全力で学び、全力で遊び、2年を駆け抜けることしかありません。

より多くの人に見て頂けることを願って、未だ知られざる荘内病院の良さ、鶴岡市の良さをPRして行きたいと思います。

  1年目研修医 佐藤

2018年06月17日

研修医

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