研修医の声

渡前地区の出前講座に行ってきました

2月2日、藤島は渡前地区のドクター出前講座に行ってきました。

通算三回目、院長に早く登板機会をくださいよと懇願し続けてようやくです。

一旦は(あまりに上手すぎて)干されてしまいましたが、研修医生活最後の演技ということで忖度があったようですかね?

今回も多くの鶴岡市民を笑わせてやるぞと息巻いて、二日酔いで辛いながらも山形市から飛んでまいりました。

「院長」を拝命された鈴木先生が、「院長」の肩書をしょって話されるのを見ると、オーラを感じます。

使いまわしと思いきや、常にブラッシュアップされた内容で話される「がんにならない12か条」は、いつも以上にキレッキレ

つぼを抑えて笑いを誘う構成は、さすが慣れている方だと私はただひたすらに感心していました

「meijiのLG21」

乳酸菌と言わずに、あえて固有名詞で落ちに使ってくるあたりばばちゃんの心をわかってます

仕込んだネタと、狙った話術はいつものごとく、聞きやすいつぶつぶとした言葉と、「えーっ」とか「あーっ」が入らないよどみない話口調にはさすがに引き込まれます

本当にこだわってされていてすげぇ...と思うあたりで徐々に「負けらんねぇ...もっと大きい笑いが欲しい」と、台本に逸脱したアドリブを考え始めます

そうこうしているとon stage、さあ最後の舞を見せようかとバサッと白衣を羽織ってみる

・・・大学時代クリーニングしてからほっぽってたやつで、少しサイズが小さいかも

でかくなったのは体だけじゃない、コミュ力のスケール、そして心の大きさ、全てLからXL

さあ...藤島の民よ、恐れおののけ、規格外の研修医による鶴岡漫談に...

「あんの~~~~きょうは、どんげええええされました~~~」

看護師役のじじ様が、一発目からボケをかましてきた

台本では標準語なはず...なぜいきなり、方言で、しかも大声で、コミカル...そして大爆笑だと...?

藤島民、強い、町内なんちゃらの組織はあまりにも仕上がっている。笑いを、この地区の笑いを知り尽くしている

「あれ~~~の~~~~きょうはの~~~手がしびれての~~~」

おい、患者役もtop of bottomでボケじゃねえか

方言うめぇよ、しかもスパイス効かせてふざけてやがる

しかも、アドリブ満載かい...

試される大地は、藤島にあった

じいやたち、俺をつぶしにきてやがる...これはあたかも

看護師じい「わしたちのボケについてこれるかい?」

患者じい「おぬしじゃ無理じゃの。この地のスターは我々なのじゃから」

と言わんがばかりに、せめて来いよと誘ってきやがる

ああいいだろう、私はこの二年間しゃべりだけで生きてきた

じじばばを相手に必ず笑わせ、最後には「ありがどの」と言っていただけるような、事細かに気遣いをする診療心がけてきた

二年の集大成をここで、常にアドリブの臨床現場で磨いてきた、本気の喋りを披露しよう

台本の本筋には乗っかるが、話の流れに合うように、より自然な会話の中で展開が進むように2、3必ず余計な掛け合いを入れていく

「台本にねぇ」

とじいたちもなりながらも、全て笑いに変えてくる

しかし、それは想定通り

その言葉が欲しくて私は話を振っているのだから

そんな余裕もつかの間、事件は起こる

「台本で左なのが全部右になってたので直しました」

出前講座の台本編集担当の方にそう言われていたのだが、話してて気づく。実際は全て右で合っていた。

多分MRIで、写真の右側が高信号だったのを見て、脳の左に病変があるから左に症状がある、と勘違いしたのだろう。

錐体路障がいだから、対側、元からこれは合っていたが...たぶん細かいところは医者しかわからない。

故に、MRIの画像提示した際に、詳細な画像説明ができない。使い古しのアドリブに見せかけた説明が使えない。

左右の話はいっさいせず、詳細は回避

しかし、事件はそれだけではない

本当は右上肢麻痺のはずが、台本改変に伴い左上肢麻痺に代わり、患者役のアドリブで左下肢麻痺まで加わってしまったのだ

さすがにこれだけしっかり出ているとなると、MRIの画像所見に合わない気がする...何ならMRAも欲しい

医学的な小ミスが重なりながらも、如何にして触れないかだけ考えて他の言葉を模索する

結果的にはよどみなく進み、いつもより一つ二つ多めの説明を入れて大団円

さすが私、乗り切ってしまいましたな

ただ普通に話すはつまらないから、ユタリハで感じたことも踏まえてメッセージ性あるアドリブも入れてみました。

脳梗塞患者はなったら終わりでなくて、リハビリが大事。リハビリに円滑につなげるように荘内病院は頑張ってるし、リハビリ病院はどこも頑張っていて社会復帰する患者さんも大勢いる。

ここを力説したらうなずいてくれる方も多かったので、うれしい。

また、新たに仕込んだ台本ネタもぼちぼちの笑いを取れた。

最近はやりのくら寿司と、時期に合わせた湯殿山スキー場は、孫がいる家庭のジジババにはヒット。

他にも「湿布張って様子みでだんけどや」「入院の準備ななにもしてね」と、患者さんが言うセリフトップ10に入るあるあるワードも、ドンピシャで笑いを取れた。

どの年代にもあるあるは刺さるんですな。

以上、研修医が台本を書き換えて、院長に負けじとアドリブ満載で笑いを狙いに行く、そんな無礼極まりない最高の出前講座をしてきました。

私に続く笑いにどん欲な、血気盛んな後輩は出てくるんでしょうかね、いや出てくる、勝負だ。

ということで、地域活動は面白い、そんなお話でした

2年目研修医 佐藤

2020年02月03日

研修医

このページの先頭へ戻る