研修医の声

面接シーズン終わり!

灼熱の夏の終わりを感じさせる涼しげな風と共に、マッチング面接シーズンも終わり誰が来てくれるのか楽しみな毎日が始まった

見学&面接ならと気合いを入れて勧誘・飲み会に勤しんだ我々研修医陣も今月は肝臓もお財布もいためつけてしまったもので、これからはゆっくりしたいところだが...頑張ったなら頑張っただけの成果が欲しいと思ってしまうところ

10月中旬の結果発表が待ち遠しい、今年は何人になるのだろうか

昨年は6人面接、5人フルマッチ

今年は11人面接だから...と期待したいところだがうちを第一志望にしてくれる学生さんは聞いた5人に満たない

去年も来てくれそうな人は2人だったのに、気付いたら5人になってたのもあるから期待したいところ

2年連続フルマッチを果たして手放しに荘内病院を去りたい

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とある機会があり、鶴岡出身で関東で看護学生をしている子と話す機会があったのだがその際「鶴岡では働かないの」と尋ねた際、「働く場所が無いから」と想像だにしない答えをされたことがある

意外だった

鶴岡に看護師が働く場所が無いだなんて、私はそこまで現実知らずだったのか、と

毎年のように看護師不足を嘆き、附属の看護学校からの入職も少なく、潜在看護師発掘を試みる荘内病院も狭き門だと言うのだろうか...

無論そんなわけはない

単純に東北よりも関東の方が条件面として良いのだろう

条件が合う病院が無いのならしょうがない

こればっかりはその人の価値観だし...20代に見える条件と、その後に見える条件は変わってくるだろうし、価値観も変わってくるものだ

しかし間違いなく言えるのは、初めて就職する場所に関しては「その瞬間にいいと思える病院」であるということだ

選ぶ瞬間でいい病院だからこそ選ばれる

1年半に渡って荘内病院の看護師さんにした聞き取り調査をまとめていくと、その病院を選ぶ理由、選ばない理由がどうも聞き覚えのあるものばかりで、医学生が研修病院を選ぶ基準とほぼ同じものだった

「実習で放置されたから嫌だった」

「嫌な看護師さんの下について嫌味を言われたからこの病院は嫌だ」

として、その病院を選ばない理由に実習・見学での悪印象が挙げられることが多い一方で、その病院を選ぶ理由として

「いつもにこにこして対応してくれる」

「手技を多くさせて貰える」

「上の先生方が教育的で面白い」

「雰囲気がいい」

「待遇がいい」

「地元だし別にいいかなって」

などが挙げられる

学生目線から言えばそうだろうなぁと、思うところだが

その病院の規模、待遇、質も勿論選ぶ基準として挙げられるだろうが、それは自分の生活圏から離れた病院である場合に限り、近隣で選ぼうとした際はその病院の印象を選ぶ基準にすることの方が多いように感じる

それこそ県内でフルマッチを続ける日本海病院は学生からの評判がめっぽう良い

大人数で行けて学生だけのスペースがあるなど実習環境が充実していて、飲み会が多く、ホテルもキレイで近いし、お昼ごはんも出る

これだけで印象が良いのに、研修医の数も多く部活の先輩が何かしらで引っ掛かり、若手の先生も多く大学に近い雰囲気ながら殺伐としていないとも来ればなお印象が良い

研修医としての待遇も良ければ、研修医と話すたびに尚更印象も良くなる

学生時代からいい印象しか抱かない病院であるならば、フルマッチにならない訳が無い

人が集まるに値するだけの雰囲気づくりを病院全体で徹底しているとなれば、相応の雰囲気が付いてくるのは当たり前だろう

ではその実態はどうか、と言えば「雰囲気が良い」というのは、具体的に言葉に表すことが難しい空気感のようなものだから、一旦イメージ作りに成功していればそれまで通りを続けているだけで継承されうるものだろう

とはいえ、その発端が「個」で以ってつくられたものであるならば継承はなされない可能性もある

ただそれが軌道に乗るまで、その「個」がいなくとも全体の雰囲気が出来るようになるまで粘れればそれこそ確固たるものとなり、あとは噂や伝聞で「雰囲気のいいところに」人が集まるようになるというのが日本らしいあり方だろうか

そこまで意識しているつもりはないのだろうが、日本海病院に居る人間から話を聞けば聞くほど、雰囲気の作り方が上手いし、それを誰が作り上げたのかがあいまいになってるくらいだからよっぽどの策士が居たのだろうことが推察される

雰囲気がいいところには決まって人が集まるが、雰囲気が悪いところには人が集まるとは限らないが、やはり人を集める為には雰囲気が良い方が良いに決まってる

にも関わらず、そうしない職員を見ると私は悲しくて何もいえない気持ちになる

純粋な気持ちで、これから人の為に役に立ちたいと頑張ってる学生さんに対して悪印象を与えるようなことを平気で言うような人ならなおさら

そもそも、医療職の根幹を成すホスピタリティーの一つに、「人に優しくすること」は入っていないのだろうかと問いたくもなる

病院のスペックなり、医療環境をすぐに変えることは難しくても雰囲気はその人の心一つ、気遣い一つで変えられるのだから、いつもより少し優しくしてみればいいのに

自分が優しくすれば、自分の周りが優しくなる経験がないのかしら...なんておこがましいと言われるんですかね

当たり前ですが、悪い人のところには人が集まりません。良い人、もしくは良い人に見えるところには人が集まりますから、良い人にはなれなくともせめて良い人に見えるようにはなりたいなぁと思うところです

それこそ最近学生さんに「荘内病院楽しかった!」と褒めて貰えることが多くて、お世辞でも嬉しいなぁとFとにこにこしている私ですからね

少しは良いところのように「みえるよう」頑張った甲斐があるようです

出来るなら、荘看の子達からも荘内病院に熱視線を注いでもらいたいものです

若手をうじゃうじゃ増やして盛り上げていきたいですし、鶴岡いいところですからね

でもこればっかりは私達が及ぶところじゃありませんからね

最後に一言、

私達は、みんな頑張りました

次に頑張るのは...とちくっと煽りつつオチとさせていただきます

2年目研修医 佐藤

PS

2019年09月07日

研修医

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