研修医の声

呼吸器研修終わりました

荘内病院きってのゴリゴリ研修が売りだった呼吸器研修を経験しました

指導医の「じゃあやっといて」が怖かったのは最初の3日間ほど

気付けば「いついつまで点滴出して、内服薬にするには検査所見がこーなってないとダメで、だから検査出さなきゃダメで、そろそろ総括書きながら診療情報提供書も準備して...」みたいな感じにやらなければいけないことが多重折りに

担当患者さんが4人くらいながらも、入院から退院までの全てをやらねばならずマルチタスクが要求される

幾分学生時代から手間のかかる料理をタイムトライアルするのが好きだった私としては、複雑な工程を段取りよく処理するのが気持ち良くてなんなら楽しい

午前中にやることはここまで、午後にやることはここから、と区切って自分の時間も作りながら、わからないことは先生に聞くなり、カルテ上に「P 先生に○○に関し相談」と残しておくと見つけるなりすぐさまPHS鳴らして下さったり、帰りの会でコメントを下さったり、カルテに答えを残して下さったりと疑問を確実に解消して下さる為、律速段階が無く効率的に1日を過ごすことが出来た

空き時間も自分で文献や論文に当たったりしながら、先生にプレゼンをして最善の方法を探して議論をすることが出来、勉強になりました

日中これだけ充実していて、しかも定時で帰れると言うんだからこれ以上ない幸せ

経験した症例も一般的な肺炎、非定型肺炎、血気胸、胸膜炎、肺癌、IPF、COPD、FES等教科書に書いてあるメジャー疾患を一通り網羅したかのよう

回った後に知ったのですが、呼吸器科で最も忙しい時期は私が回った時期なようで...この時期に悪くなる患者さんが多いようです

「忙しい時期に来るとは根性あるやつだな」

と、先生は思っていたようですが、事務的にこの時期に呼吸器に秘書さんにされただけで、そんな忙しいと思ってきたわけではありません

何なら終診読みでゆっくりできると思ってきてたくらいですから...

私の中で誤算とも言うべき呼吸器科研修は、これまで回ったどの科よりもやることが多く、たくさん勉強が出来て、気付けば呼吸器専門医、内科認定医を調べ始めました

内科楽しいですよね

・・・と思っていたのが初めの3週間

残りの3週間は私の向学心が嫌でも満たされてしまう事態が・・・ICUの患者さんを任されたということですね

in-outの管理から、血圧管理、電解質調整にNPPV調整、に加えてawakeでA-line挑戦しての血ガス評価と更なる呼吸器設定

ライン上手く取れたときは思わず、近くにいらした麻酔科の先生に「出来ました」と報告いったくらいでしたから

加えてドパミンの使い方やらγ計算に加え、Caブロッカーの使い方まで、循環器の先生に教わりました

土日はずっとICUに居座っていましたし、残りの3週間は病棟管理では無くてICUの人に

「先生ICUドクターみでだの」

と揶揄されながらも、下手くそな指示に看護師さん達も付き合って下さいました

何とか病棟に上げることが出来た時の達成感は...思いのほか無く、ようやく「ICUから解放された」とホッとしてしまいました。多分普通の研修医であればここで達成感を得て武勇伝にするのでしょうが、私としてはホッとしすぎて、呼吸器研修最終日に発熱して解熱したことの方をネタにしたいですね。

ICUでは3人の患者さんを担当させて貰いましたが、しっかりとしたプロブレムリストを立案し細かく経過を追うことが一番地味ながら治癒には必要不可欠なのだと学ばされました

自分の中では「やらかした!」と思うようなことは無く、先生から怒られたことも無いので、治療そのものは平穏かつ一般的、有事の際もまずまずの対応が出来たと思いますが、登板機会が無ければ何も学べません

「俺、土日いないから」

と指導医の代わりに呼ばれるその日こそが、私が最も学べる瞬間でしたし、対処不能と判断出来ればすぐ先生に電話で報告するなり、病院に泊まり込んで経過を追い、自分でアセスメント出来る機会が豊富にあったというのは密度の濃さの象徴でしょう

こうした研修スタイルは研修始まりの方ではきっとただ負担に感じていたでしょうが、2年目に差し掛かろうとする今だからこそ、これ以上ない有意義な時間と感じることが出来たと思います

山大からのたすき掛けだったかんちゃん先生も、2年目で回って最高だったと言ってましたから、医師として少しずつ慣れてきた頃合いにちょうどいいんでしょうかね

忙殺されると言うより、責任ある仕事を任されててんやわんやというところで、土日も毎日出てきてメンタルが削られましたが、医師はそういう職業ですから

図らずも報われる瞬間は研修終わりに先生から頂いた一言、「助かりました」と

アニキと心の中で呼び続けた先生にそんな一言を頂けるとあれば、私も感無量です

かくして激動の1か月を終えた私。明らかに自分が強くなったと確信しています。なかなかこんな気持ちになることは無いですよ。指導医の先生には感謝してもしきれません。

次なる研修先は病理

おおよそ1週間ですが、私に「君が医者でいる限り、僕の言葉は絶対だ

と言う機会があるのでしょうかね

・・・組織像見てもろくにわからないこの僕に

1年目研修医 佐藤

2019年02月27日

研修医

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